外国の暮らし その4
飲み物は何にする、と聞かれ、すぐに答えられないでいると「えーっと、赤ワイン、白ワイン、ジン、それにシャンペンもあるけど」と彼女は冷蔵庫の中を覗き込む。
「じやあ、シャンペンを」今にして思うと顔から火の出る図々しさで私は彼女にその新しいボトルを開けさせ、それをまるでジュースのように美味しい、美味しいと飲んでしまった。
すっかりいい気持ちになってRに誘われるまま近所のブラッスリーでカキを食べ、今度は白ワインをたくさん飲んだ。
どういう経緯でそうなったのか覚えていないがその夜、話はなぜか避妊と中絶というようなことになり、彼女は日本で暮らしていた時に一度、中絶をしたことがある、といった。
その時の相手は日本人で、彼はその事実を知らない、今はもちろんピルを飲んでいるけれど、その頃は私も無理して日本人になろうとしてたようなところがあって、ピルなんてとんでもない、というふうだった、あなたもせっかくフランスに住んでるんだからピルを飲んだほうがいわ、何ならお医者さんも紹介してあげましょう・・・そんなことをRはとりとめもなくしゃべったんです。